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「べたべたとまるで精液のようだ」

Page Type Example
Example ID a2459
Author 梶井基次郎
Piece 「桜の樹の下には」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 46

Text

——おまえは腋の下を拭いているね。冷汗が出るのか。それは俺も同じことだ。何もそれを不愉快がることはない。べたべたとまるで精液のようだと思ってごらん。それで俺達の憂鬱は完成するのだ。

Context Focus Standard Context

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 精液 = 冷汗 汗=体液

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A Bのようだ と-副詞語尾
2 まるで Bのようだ ちょうど(ちょうど)
3 B の[ようだと思ってごらん] の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
4 B [の]ようだ[と思ってごらん] 様-類似-終止形
5 B [のようだ]と[思ってごらん] と-内容指定
6 B [のようだと]思っ[てごらん] 思う(おもう)
7 B [のようだと思っ]て[ごらん] て-補助用言に連なる用法
8 B [のようだと思って]ごらん 待った(まった)

Pragmatics

Category Effect
描写 (description) 汗のべたべた感を、べたべたとした分泌物である精液によって描写する。
イメジャリー・イメージ (imagery) べたべたとした冷汗を、べたべたした質感の液体であるという共通点を媒介として精液によそえる。
迫真法・活写法・現前化 (hypotyposis) それにより、男性の脇に男性の分泌物である精液がかかっているという生理的に不快なシチュエーションを作ることで、当該文脈の憂鬱感のリアリティを形成する。