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「香水の壜にも煙管にも私の心はのしかかってはゆかなかった」

Page Type Example
Example ID a2384
Author 梶井基次郎
Piece 「檸檬」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 19

Text

しかしどうしたことだろう、私の心を充たしていた幸福な感情はだんだん逃げていった。香水の壜にも煙管にも私の心はのしかかってはゆかなかった。

Context Focus Standard Context
私の心は のしかかって (向いて)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 のしかかる = 気が向く 肝が据わる=掛ける

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
活喩 (prosopopeia) 「私」の興味・関心に、一定の大きさと重さが与えられている。興味・関心が向くという心理的な指向性が、その対象に重みをかけるという力動的な関係によって表現されている。
心理描写 (psychological-description) 外界の事物に対する興味を失っている心理を示す。
異例結合 (-) 「私の心」という抽象物に対して、「のしかかる」という動作動詞が結合する。