目次

「宙を踏んでいるように頼りない気持であった」

Page Type Example
Example ID a2139
Author 梶井基次郎
Piece 「泥濘」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 218

Text

石鹸を買ってしまって自分は、なにか今のは変だと思いはじめた。瞭然(はっき)りした買いたさを自分が感じていたのかどうか、自分にはどうも思い出せなかった。宙を踏んでいるようにたよりない気持であった。

Context Focus Standard Context

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern

Grammar

Construction AようにB気持ち
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A ように B 様-類似-連用形
2 B 気持ち 感(かん)

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 中空に立脚するという極めて不安定な物理的感覚を引き合いに出し、自分の思考が確固としたものではなく朦朧としているという思考の不安定性を示す。
心理描写 (psychological-description) 中空に立脚するという極めて不安定な物理的感覚を引き合いに出すことで、自分の思考の頼りなさに対する不安な気持ちを描く。