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「盛り土の上には神経のように細ぼそと根を露はしてゐた」

Page Type Example
Example ID a1982
Author 芥川龍之介
Piece 「或阿呆の一生」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 416

Text

ある薄ら寒い秋の日の暮、彼は一本の唐黍にたちまちこの画家を思ひ出した。丈の高い唐黍は荒あらしい葉をよろつたまま、盛り土の上には神経のように細ぼそと根を露はしてゐた。それはまたもちろん傷き易い彼の自画像にも違ひなかつた。

Context Focus Standard Context
神経 (根)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 神経 = 根=神経系

Grammar

Construction AのようにBとCをD
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Elaboration
C Target
D Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ように] D の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ように D 様-類似-連用形
3 B D と-副詞語尾
4 C D を-目的・目標(他動詞)

Pragmatics

Category Effect
自然描写 (description of nature) 神経の細さと根っこの細さという共通項を媒介にして両者を結び合わせ、露わになった根を描写する。
心理描写 (psychological-description) 自身の心の繊細さや弱さを表現する。
アナロジー・類推 (analogy) 外界を自身の心情と重ね合わせ、剥き出しになった根っこ(神経)の傷つきやすさによって、自身の心の繊細さや弱さを表現する。