目次

「逃げ出さないばかりに長老夫婦をあとに残し」

Page Type Example
Example ID a1960
Author 芥川龍之介
Piece 「河童」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 380

Text

十分ばかりたった後、僕らは実際逃げ出さないばかりに長老夫婦をあとに残し、大寺院の玄関を下りていきました。

Context Focus Standard Context
大寺院の玄関を 逃げ出さ (下りていきました)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 逃げる = 下りる おりる=逃げる

Grammar

Construction AはBばかりにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B ばかり[に] C ばかり-いまにも〜しようとする状態
3 B [ばかり]に C だ-断定・指定-連用形

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 寺院から駆け降りていく様態について、慌てた様子を逃避行動の持つなりふり構わなさの属性を用いて表現する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 逃げ出す際のなりふり構わない様子のイメージを想起することで、寺院から駆け降りる様子を表現する。