目次

「胸の灯も芸術も希望の光もみんな消えて」

Page Type Example
Example ID a1686
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 265-266

Text

胸のも芸術も希望の光もみんな消えて、生活自体が道ばたの馬糞のようにグチャグチャに踏みしだかれて、乾きあがって風に吹かれて飛びちり跡形もなくなって行く。

Context Focus Standard Context
胸の (明るい気持ち)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 情熱 情=明かり

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 胸の中に抱く情熱が、心を明るく照らし出し、活力を与えるものであるという印象を与える。
共感覚表現・共感覚的比喩 (synesthesia) 胸に抱く情熱に「灯」のような温かみや明るさが感じられる。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 胸に抱く情熱があたかも「灯」のような物理的実体であるかのような印象を与える。
死喩 (dead metaphor) 当該人物が抱く情熱を示すのに、「灯」という定着度の高い表現が選ばれている。
対照法・対照 (antithesis) 後続文の「馬糞」という非俗な物質とのコントラストをつくる。