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「人間は永遠に網にかからぬ魚である」

Page Type Example
Example ID a1619
Author 坂口安吾
Piece 「続堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 242

Text

政治、そして社会制度は目のあらい網であり、人間は永遠に網にかからぬ魚である。天皇制というカラクリを打破して新たな制度をつくっても、それも所詮カラクリの一つの進化にすぎないこともまぬがれがたい運命なのだ。人間は常に網からこぼれ、堕落し、そして制度は人間によって復讐される。

Context Focus Standard Context
網にかからぬ魚 (人間)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 人間 人間=魚

Grammar

Construction AはBである
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B は-既出のものに関する判断の主題
2 B で[ある] だ-断定・指定-連用形
3 B [で]ある ある(ある)

Pragmatics

Category Effect
寓意・アレゴリー (allegory) 直前の「目のあらい網」に連なる表現。
アナロジー・類推 (analogy) 社会制度を網として、それらが対象とする人間を魚として表象することで、社会制度というものが結局のところ人間を救うことができないことを目の粗い網に魚が引っ掛からない様子に類比的になぞらえる。
定義 (definition) 網と魚の関係になぞらえながら、社会制度と人間の関係がどのようなものであるのかが規定されている。