目次

「故郷の家の有様なぞが幻燈のように美しく」

Page Type Example
Example ID a1429
Author 夢野久作
Piece 「押絵の奇蹟」
Reference 『夢野久作』
Pages in Reference 63

Text

繰返し繰返し夢に見るので御座います。それにつれて私のお父様の顔や、お母様の顔や、または生れてから十二年の間に住まっておりました故郷の家の有様なぞが、幻燈のように美しく、千切れ千切れに見えて参ります。

Context Focus Standard Context
幻燈 (夢)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 幻灯 = 夢うつつ=幻灯

Grammar

Construction AがBのようにC-D
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D が-主語
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形
4 C - D 統語関係

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 幻燈という美しい情景を映し出し、かつフィルムによる映写のため実体性を伴わない儚さを有する事物を引き合いに出すことで表現する。
明晰 (clarity) 夢に映し出される故郷の映像が美しいけれども夢であるがゆえに儚いものであることを幻灯のイメージによって分かりやすく表現する。