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「われわれは悪魔を呼ばなければならない」

Page Type Example
Example ID a1212
Author 梶井基次郎
Piece 「闇の絵巻」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 48-49

Text

闇! そのなかではわれわれは何を見ることもできない。より深い暗黒が、いつも絶えない波動で刻々と周囲に迫って来る。こんななかでは思考することさえできない。何が在るかわからないところへ、どうして踏み込んでゆくことができよう。勿論われわれは摺足でもして進むほかはないだろう。しかしそれは苦渋や不安や恐怖の感情で一ぱいになった一歩だ。その一歩を敢然と踏み出すためには、われわれは悪魔を呼ばなければならないだろう。裸足で薊(あざみ)を踏んづける! その絶望への情熱がなくてはならないのである。

Context Focus Standard Context
悪魔 (悪魔の心) を呼ばなければならない

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 悪魔 > 魔>心

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
極言 (-) 暗闇で何も見えないところを歩くためには通常の心理状態ではいられないことを、悪魔を呼び出すという究極の事態を引き合いに出すことで強調する。