| Page Type | Example | 
|---|---|
| Example ID | a1192 | 
| Author | 梶井基次郎 | 
| Piece | 「ある心の風景」 | 
| Reference | 『梶井基次郎』 | 
| Pages in Reference | 283-284 | 
「美しいものを見る、そして愉快になる。ふと心のなかに喜ばないものがあるのを感じて、それを追ってゆき、彼の突きあたるものは、やはり病気のことであった。そんなとき喬(たかし)は暗いものに到るところ待ち伏せされているような自分を感じないではいられなかった。 時どき彼は、病める部分を取出して眺めた。それはなにか一匹の悲しんでいる生き物の表情で、彼に訴えるのだった。」
| Context | Focus | Standard | Context | 
|---|---|---|---|
| それは | なにか一匹の悲しんでいる生き物 | (病める部分) | の表情で、彼に訴えるのだった | 
| Construction | |
|---|---|
| Mapping Type | 
| Lexical Slots | Conceptual Domain | 
|---|
| Preceding | Morpheme | Following | Usage | 
|---|
| Category | Effect | 
|---|---|
| 活喩 (prosopopeia) | 性器の病気の様を、生物にたとえて具体化する。 | 
| 心理描写 (psychological-description) | 喬の「病める部分」を眺めたときに受ける印象が、悲しそうにしている生き物を見ているときに抱く感情になぞらえて描かれている。「なにか」という部分からは、その病める部分に対する理解が、喬自身にもはっきりと捉え切れていないことが伺える。 |