目次

「芝居の弁天小僧のように、さまざまの罪を犯したなら」

Page Type Example
Example ID a0876
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 34

Text

芝居の弁天小僧のように、こう云う姿をして、さまざまの罪を犯したならば、どんなに面白いであろう。

Context Focus Standard Context
芝居の弁天小僧 (私) さまざまの罪を犯したならば

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 弁天小僧 = 我=浦島太郎

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ように] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ように B 様-類似-連用形
3 B を[して] を-目的・目標(他動詞)
4 B [を]し[て] する(する)
5 B [をし]て て-推移・連続

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 女装をしているという共通項から、自身を芝居の登場人物になぞらえ、自身の現状を演技として楽しむ姿を描いている。
心理描写 (psychological-description) 女装という同じ境遇にある弁天小僧の行為を想起させることで、自身の本性を明らかにせず悪事を行うことに対して隠微な楽しみを感じている様子を描いている。
イメジャリー・イメージ (imagery) 本性を隠して悪事をはたらく姿を、弁天小僧を引き合いに出すことで具体的に想起させる。
象徴・シンボル (symbol) 本性を隠して悪事をはたらく人物の代表例として弁天小僧が参照されている。