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「さす針、ぬく針の度毎に、自分の心が刺されるように感じた」

Page Type Example
Example ID a0859
Author 谷崎潤一郎
Piece 「刺青」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 19

Text

さす針、ぬく針の度毎に深い吐息をついて、自分の心が刺されるように感じた。

Context Focus Standard Context
心が 刺される (痛む)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 刺さる = 心が痛む 断腸の思いをする=刺さる

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B が-主語
2 B ように[感じた] 様-類似-連用形
3 B [ように]感じ[た] 感じる・感ずる(かんじる・かんずる)
4 B [ように感じ]た た-過去-終止形

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 施術の針が自身の心を刺すという架空的な感覚を提示し、生々しい具象性を心理に付与することで、施術に没頭している様子を描いている。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 物理的実体ではない心に、身体部位と同等の触覚的な敏感さが感じられる。