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「動揺が、電波のように移っていった」

Page Type Example
Example ID a0821
Author 坂口安吾
Piece 「村のひと騒ぎ」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 28

Text

このような、いわば革命を暗示するような悲痛な動揺が、已(すで)に収穫(とりいれ)の終った藁(わら)屋根の下でも、樵(きこり)小屋の前でも、山峡(やまか)いの路上でも電波のように移っていった。

Context Focus Standard Context
電波 動揺 移っていった

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 電波 = 動揺 迷い=音波

Grammar

Construction AがBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C が-主語
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) 動揺という抽象的なものが村全体に伝わっていく様子を、電波という不可視の波が広がっていく様子に比することで分かりやすい形で表現する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 動揺が伝わっていく様子に、電波と同様の一定した速さや同心円状の広がりが感じられる。