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「なんの表情も無い、木偶(でく)のごとく愚者のごとき容貌」

Page Type Example
Example ID a0788
Author 中島敦
Piece 「名人伝」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 18

Text

以前の負けず嫌いな精悍な面魂はどこかに影をひそめ、なんの表情も無い、木偶(でく)のごとく愚者のごとき容貌に変っている。

Context Focus Standard Context
愚者 容貌

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 愚者 = metaphor--1.2340-17--1.2010-3

Grammar

Construction AはBのごときCにD
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ごとき] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ごとき C ごとし-類似-連用形
4 C D に-変化・帰着させる状態

Pragmatics

Category Effect
対照法・対照 (antithesis) 修行前の姿と修行を終え、名人となった姿が対比され、「精悍な」に対して、「愚者のごとき」という形容を対照的に用いている。
逆説・パラドクス (paradox) 名人が愚者であるという逆説的な認識が示されている。