目次

「雞(とり)は城楼と見える」

Page Type Example
Example ID a0777
Author 中島敦
Piece 「名人伝」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 11

Text

ある日ふと気が付くと、窓の虱(しらみ)が馬のような大きさに見えていた。占めたと、紀昌は膝を打ち、表へ出る。彼は我が目を疑った。人は高塔であった。馬は山であった。豚は丘のごとく、雞(とり)は城楼と見える。

Context Focus Standard Context
城楼 雞(とり)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 城楼 = にわとり きじ=城

Grammar

Construction AはBと見える
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B は-既出のものに関する判断の主題
2 B と[見える] と-内容指定
3 B [と]見える 判ずる・判じる(はんずる・はんじる)

Pragmatics

Category Effect
前景化 (foregrounding) 虱を見つづける修行を行った結果、あらゆる事物が巨大な形で目に映る様子を表現する一例として、普段は人間よりも小さい鶏を遥かに大きい城楼として前景化している。