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「蟻の如くになりながら通り過ぎ」

Page Type Example
Example ID a0753
Author 幸田露伴
Piece 「観画談」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 106

Text

恐ろしい大きな高い巌が前途(ゆくて)に横たわっていて、あのさきへ行くのか知らんと疑われるような覚束ない路を辿って行くと、辛うじてその岩岨(いわそば)に線のような道が付いていて、是非なくもの如く蟹の如くになりながら通り過ぎてはホッと息を吐くこともあって、何だってこんな人にも行会わぬいわゆる僻地窮境に来たことかと、聊(いささ)か後悔する気味にもならざるを得ないで、薄暗いほどに茂った大樹の蔭に憩いながら明るくない心持の沈黙を続けていると、ヒーッ、頭の上から名を知らぬ禽(とり)が意味の分らぬ歌を投げ落したりした。

Context Focus Standard Context
晩成先生 になりながら通り過ぎ

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 あり = 彼=はち

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ごとくになりながら] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ごとく[になりながら] B ごとし-類似-連用形
3 A [のごとく]に[なりながら] B に-行われ方・あり方
4 A [のごとくに]なり[ながら] B 変質する(へんしつする)
5 A [のごとくになり]ながら B ながら-動作・作用が並行して行われる事態

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 蟻が移動する際に六足で這うように進むイメージによって、四つん這いになりながら進む様子を表す。