目次

「線のような道」

Page Type Example
Example ID a0752
Author 幸田露伴
Piece 「観画談」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 106

Text

恐ろしい大きな高い巌が前途(ゆくて)に横たわっていて、あのさきへ行くのか知らんと疑われるような覚束ない路を辿って行くと、辛うじてその岩岨(いわそば)にのような道が付いていて、是非なくも蟻の如く蟹の如くになりながら通り過ぎてはホッと息を吐くこともあって、何だってこんな人にも行会わぬいわゆる僻地窮境に来たことかと、聊(いささ)か後悔する気味にもならざるを得ないで、薄暗いほどに茂った大樹の蔭に憩いながら明るくない心持の沈黙を続けていると、ヒーッ、頭の上から名を知らぬ禽(とり)が意味の分らぬ歌を投げ落したりした。

Context Focus Standard Context

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = metaphor--1.1711-1--1.4710-1

Grammar

Construction AのようなBがC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ような] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ような B 様-類似-連体形
3 B C が-主語

Pragmatics

Category Effect
カテゴリー転換 (-) 面積をもつ「道」を、面積をもたない「線」として捉えている。
含意法 (implication) 具体物ではなく「線」と概念的に表すことで、人が通るには厳しい道であることを示唆する。