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「トットットッと走り着いて」

Page Type Example
Example ID a0636
Author 幸田露伴
Piece 「観画談」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 107

Text

晩成先生もさすがに慌て心になって少し駆け出したが、幸い取付きの農家は直に間近だったから、トットットッと走り着いて、農家の常の土間へ飛び込むと、傘が触って入口の檐(のき)に竿(さお)を横たえて懸け吊してあった玉蜀黍(とうもろこし)の一把(いちわ)をバタリと落した途端に、土間の隅の臼のあたりにかがんでいたらしい白い庭鳥が二、三羽キャキャッと驚いた声を出して走り出した。

Context Focus Standard Context
トットットッと () 走り着いて

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 とっとっ > 走る とん>走る

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
声喩・オノマトペ (onomatoeia) 走っていたわりには、スピードが遅く、あまり必死に走ってはいない様子が想像される。
音象徴 (sound symbolism) 促音により、軽快に走る様子が想起される。
類像性・イコン性 (iconicity) 「トッ」というまとまりの繰り返しから、走った距離の長さが示唆される。
迫真法・活写法・現前化 (hypotyposis) オノマトペの使用によって、目の前の出来事を見たままに描写しているような印象を与える。