目次

「西村さんのお母さんが、まるで般若のようにスゴイ顔つきであった」

Page Type Example
Example ID a0296
Author 夢野久作
Piece 「いなか、の、じけん」
Reference 『夢野久作全集第1』
Pages in Reference 70

Text

西村さんのお母さんが、白い湯もじ一貫のまま、ヒョロヒョロと出て来た姿を見ると、みんな震え上がってしまった。青白い糸のような身体に、髪毛をバラバラとふり乱して、眼の玉を真白に剥き出して、歯をギリギリと噛んで、まるで般若のようにスゴイ顔つきであったが、

Context Focus Standard Context
般若 西村さんのお母さん のようにスゴイ顔つき

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 般若 = お母さん 父母=鬼

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Elaboration
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 まるで ちょうど(ちょうど)
2 A の[ように] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 A [の]ように B 様-類似-連用形
4 B - C 統語関係

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 「般若」という恐ろしさという評価性を内包する存在によって表すことで、「西村のお母さん」の容姿の恐ろしさが具体的に想起される。
誇張法 (hyperbole) 恐ろしい存在の典型例である「般若」を引き合いに出すことで、「西村のお母さん」の容姿に感じられた恐ろしさが際立たせられている。
人物描写 (description of a character) 「般若」を引き合いに出すことで、「西村のお母さん」の外見的な特徴を、恐ろしいという点に焦点を当てて描いている。
心理描写 (psychological-description) 「般若」を引き合いに出すことで、「西村のお母さん」に感じられた恐怖が具体的に描かれている。