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「戸外の雨の音はザアッと続いていた」

Page Type Example
Example ID a0110
Author 幸田露伴
Piece 「観画談」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 128

Text

秒針はチ、チ、チ、チと音を立てた。音がするのだから、音が聞えるのだ。驚くことは何もないのだが、大噐氏はまた驚いた。そして何だか知らずにハッと思った。すると戸外の雨の音はザアッと続いていた。時計の音は忽ち消えた。

Context Focus Standard Context
雨の音は ザアッ () と続いていた

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ざあっと > 雨->雨

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
対照法・対照 (antithesis) 秒針の音「チ、チ、チ、チ」と雨音「ザアッ」の対比により、部屋の内部の静けさと、外の嵐の激しさが対比されている。ただし、この対比は動的である。図と地のように、外の雨音に注意を向けると、内の秒針音は聞こえなくなる。
迫真法・活写法・現前化 (hypotyposis) 雨の音が耳に聞こえたままに表現されているという印象を与える。