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「憂鬱が立て罩(こ)めて来る」

Page Type Example
Example ID a2385
Author 梶井基次郎
Piece 「檸檬」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 19

Text

憂鬱が立て罩(こ)めて来る、私は歩き廻った疲労が出て来たのだと思った。

Context Focus Standard Context
憂鬱が 立て罩めて来る (感じられる)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 立ち込める = 感じる 感じる・感ずる=満ちる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 憂鬱な気持ちが、「私」の内部で立ち上がる心的なものではなく、霧のように「私」の身体を外部から包み込むようなかたちで経験されているということが見て取れる。
異例結合 (-) 「憂鬱」という抽象体に対して「立てこめる」という物質の充満を表す動詞を結合する。
心理描写 (psychological-description) 空間的な包含関係から、憂鬱という感情に「私」が飲み込まれつつあるような印象を受ける。