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「木造家屋に滲み込んだ影の痕を撫でる」

Page Type Example
Example ID a2197
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 299

Text

冬陽は郵便受のなかへまで射しこむ。路上のどんな小さな石粒も一つ一つ影を持っていて、見ていると、それがみな埃及(エジプト)のピラミッドのような巨大(コロッサール)な悲しみを浮かべている。――低地を距てた洋館には、その時刻、並んだ蒼桐(あおぎり)の幽霊のような影が写っていた。向日性を持った、もやしのように蒼白い堯(たかし)の触手は、不知不識(しらずしらず)その灰色した木造家屋の方へ伸びて行って、そこに滲み込んだ不思議な影のを撫でるのであった。

Context Focus Standard Context
(影)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 瑞光=跡

Grammar

Construction AのB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B の-同格(同じ内容)

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 影という実体のない現象を物理的な痕跡である「痕」と表すことで、発話者の影への関心の強さを表す。