目次

「こちらの自分はその自分を眺めている」

Page Type Example
Example ID a2141
Author 梶井基次郎
Piece 「泥濘」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 221

Text

影の中に生き物らしい気配があらわれて来た。何を思っているのか確かに何かを思っている——影だと思っていたものは、それは、生なましい自分であった!自分が歩いてゆく! そしてこちらの自分は月のような位置からその自分を眺めている。

Context Focus Standard Context
こちらの自分は その自分 (影) を眺めている

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 自分 = 人影 人影=自分

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
縁語・縁装法 (-) 先行の「それは、生なましい自分であった!」に連なる表現。
擬人法 (personification) 影から生まれた「自分」に、それを眺める本来の語り手自身とは異なる、独立した固有の存在感を与える。
描写 (description) 影から生まれた存在もあくまで「自分」であり、語り手自身とは全く別のものとして切り離すのではなく、その分身として描く。