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「自分の口は喋っているのだった」

Page Type Example
Example ID a2135
Author 梶井基次郎
Piece 「泥濘」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 215

Text

しかし、自分はどこか変じゃないか? などこちらから聞けない気がした。『そう言えば変だ』など言われる怖ろしさよりも、変じゃないかと自分から言ってしまえば自分で自分の変な所を承認したことになる。承認してしまえばなにもかもおしまいだ。そんな怖ろしさがあったのだった。そんなことを思いながらしかし自分のは喋っているのだった。

Context Focus Standard Context
自分の (自分) は喋っているのだった

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 > 自分 口>自分

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬人法 (personification) 当該人物の意思とは別に、口そのものが独立に発言している戯画的な印象を与える。
描写 (description) 心の中で思っていることと口でしゃべっていることが互いに独立している様子を想起させる。