目次

「金銭も木葉(このは)のごとく軽い」

Page Type Example
Example ID a2115
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 60

Text

私たちは芸術家だ。王侯といえども恐れない。金銭もまたわれらに於いて木葉(このは)のごとく軽い。

Context Focus Standard Context
木葉 金銭 軽い

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 木の葉 = 金銭 金=葉

Grammar

Construction AもBのごとくC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C も-含蓄的に提示(主語)
2 B の[ごとく] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ごとく C ごとし-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 価値を重さによって捉えるという認知的な概念を基盤として、軽さの代表的事物である木の葉を引き合いに出すことで、芸術家にとって金銭もつ価値の低さを具体的に想起させる。
評価 (evaluation) 何の価値もない木葉になぞらえることで、芸術家にとっての金銭の無価値さを示す。