目次

「嘘の上塗りをして行く」

Page Type Example
Example ID a2111
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 57

Text

意識して努めた痴呆がなんで嘘でないことがあろう。つとめればつとめるほど私は嘘の上塗りをして行く。

Context Focus Standard Context
嘘の 上塗り (繰り返し) をして行く

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 上塗り = 繰り返し 反復=塗り

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 壁などの補修のために塗装が繰り返し必要になることになぞらえることで、ある時についた嘘によって生じた不都合や不整合を解消するために別の嘘をつくという循環が際限なく続いていく様子を想起させる。
アナロジー・類推 (analogy) 嘘を積み重ねた結果、塗装の厚みがどんどん増していくのと同じく、嘘の内容が膨らみ続けているということを示唆する。