目次

「嘘の花をひらかせた」

Page Type Example
Example ID a2089
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 50

Text

こういう犯罪が三郎の嘘の花をいよいよ美事にひらかせた。ひとに嘘をつき、おのれに嘘をつき、ひたすら自分の犯罪をこの世の中から消し、またおのれの心から消そうと努め、長ずるに及んでいよいよ嘘のかたまりになった。

Context Focus Standard Context
嘘の花を ひらかせた ()

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 咲く = だます だます=咲く

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
寓意・アレゴリー (allegory) 直前の「嘘の花」に連なる表現。
イメジャリー・イメージ (imagery) ある時期に一斉に花が咲くイメージによって、殺人をきっかけとして一挙に嘘をつき始めたという三郎の変化が際立たせられている。
アナロジー・類推 (analogy) 花はもともと必ず蕾であったように、三郎にももともと嘘をつく才能があったという含みがある。