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「泳ぎの姿を気にしすぎて子供を捜しあるくのがおろそかになり」

Page Type Example
Example ID a2087
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 50

Text

そのうちに人々の中の泳ぎに自信のある男が三人、競争して大川へ飛び込み、おのおの自分の泳ぎの型を誇りながら豆腐屋の末っ子を捜しはじめた。三人ともあまり自分の泳ぎの姿を気にしすぎて、そのために子供を捜しあるくのがおろそかになり、ようやく捜しあてたものは全くの死骸であった。

Context Focus Standard Context
子供を捜し あるく (泳ぐ)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 あるく = 泳ぐ 泳ぐ=歩く

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
アナロジー・類推 (analogy) 水中か陸上かという違いを捨象することによって、子どもを探しながら移動して回るという共通性を焦点化している。
対照法・対照 (antithesis) 「移動して回る」という共通性を基盤として、子どもを探し歩く場合は「探す」行為に注意が向けられるのに対し、男たちは「歩く(=泳ぐ)」行為を意識している、という対比を浮き彫りにする。