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「廻りめぐっている水車の十六枚の板の舌」

Page Type Example
Example ID a2072
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 41

Text

次郎兵衛は夜、酒を呑んでのかえりみち必ずひとつの水車を征伐した。廻りめぐっている水車の十六枚の板のを、順々にぽかりぽかりと殴るのである。はじめは見当がむずかしくてなかなかうまく行かなかったのであるが、しだいに三島のまちで破れた舌をだらりとさげたまま休んでいる水車を見かけることが多くなった。

Context Focus Standard Context
水車の十六枚の板の ()

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 舌=板

Grammar

Construction AのB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B の-同格(同じ内容)

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 水車の板に、人の舌のような柔らかさや湿り気のある質感を感じさせる。
擬人法 (personification) 水車全体が水を飲む人であるかのような印象を与える。
縁語・縁装法 (-) 「舌」のイメージを導入することで、後続文脈の「破れた舌をだらりとさげたまま休んでいる水車」というユーモアを湛えた擬人法を導出する。