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「満月の輪廓は少しにじんでいた」

Page Type Example
Example ID a2062
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 32

Text

旅に出ます。そう書き置きをしたためて、その夜、飄然と家を出た。満月が浮んでいた。満月の輪廓は少しにじんでいた。空模様のせいではなかった。太郎の眼のせいであった。

Context Focus Standard Context
満月の輪廓は少し にじんでいた (にじんで見えた)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 にじむ ←→ 泣く 染みる<-->泣く

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) インクや墨が滲んだときのぼやけた輪郭になぞらえることで、太郎の目に映った満月の姿形を具体的に想起させる。
風景描写 (scene-description) 太郎の目に映った満月の様子を描いている。
主観化 (subjectification) 涙で潤んだ眼に月がぼやけて見えていることを、月の輪郭自体が滲んでいるものとして表象することで表す。