目次

「羊歯(しだ)類は滝のとどろきにしじゅうぶるぶるとそよいでいる」

Page Type Example
Example ID a2036
Author 太宰治
Piece 「魚服記」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 10

Text

絶壁は滝のしぶきでいつも濡れていた。羊歯(しだ)類は此(こ)の絶壁のあちこちにも生えていて、滝のとどろきにしじゅうぶるぶるとそよいでいるのであった。

Context Focus Standard Context
ぶるぶると () そよいでいる

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
違反用法・語法違反 (solecism) 滝のとどろきによる「ぶるぶると」という様態を「そよぐ」という動詞が表す動作に付け加えることにより、動きの複雑さを表す。
殊句 (-) 通常は共起しない「ぶるぶる」と「そよぐ」を組み合わせることで、表現への注意を促す。
自然描写 (description of nature) 滝の飛沫により、シダの葉が細かな振動の繰り返し(「ぶるぶる」)とゆったりとした動き(「そよぐ」)を順不同に繰り返している様を想起させる。