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「生から死に行く径路を最も自然に感じ得るだろう」

Page Type Example
Example ID a1901
Author 夏目漱石
Piece 「思い出すことなど」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 378

Text

わが生活の内容を構成る個々の意識もまたかくのごとくに、日ごとか月ごとに、その半ずつを失って、知らぬ間にいつか死に近づくならば、いくら死に近づいても死ねないと云う非事実な論理に愚弄されるかも知れないが、こう一足飛びに片方から片方に落ち込むような思索上の不調和を免かれて、生から死に行く径路を、何の不思議もなく最も自然に感じ得るだろう。

Context Focus Standard Context
生から死に行く 径路 (過程)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 径路 = 過程 過程=経由

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
アナロジー・類推 (analogy) 生きることを旅に喩える慣用的な隠喩が拡張されており、生き方の選択肢が経路の選択肢として捉えられている。
イディオム・慣用表現 (idiom) 生きることを旅に喩える慣用的な隠喩に基づく表現。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 生や死という状態を、ある経路上の場所として実体化する。