目次

「意識の内容は臍上方(さいじょうほう)三寸(さんずん)の辺(あたり)を行きつ戻りつする」

Page Type Example
Example ID a1897
Author 夏目漱石
Piece 「思い出すことなど」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 364

Text

四十年来の経験を刻んでなお余りあると見えた余の頭脳は、ただこの截然(せつぜん)たる一苦痛を秒ごとに深く印(いん)し来(く)るばかりを能事とするように思われた。したがって余の意識の内容はただ一色(ひといろ)の悶(もだえ)に塗抹(とまつ)されて、臍上方(さいじょうほう)三寸(さんずん)の辺(あたり)を日夜にうねうね行きつ戻りつするのみであった。

Context Focus Standard Context
余の意識の内容は(…)臍上方(さいじょうほう)三寸(さんずん)の辺(あたり)を 行きつ戻りつする (気にする)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 行きつ戻りつする = とどまる とどまる=通う

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) ずっと胃の辺りに留まり続けていた痛みについて、まるで人や動物が一箇所を行ったり来たりしているときのようなしつこさを感じさせる。