目次

「真白な頬の底に温かい血の色が差して」
- - - - Text
      - Rhetoric
      - Semantics
      - Grammar
      - Pragmatics

「真白な頬の底に温かい血の色が差して」

Page Type	Example
Example ID	a1856
Author	夏目漱石
Piece	「夢十夜」
Reference	『夏目漱石』
Pages in Reference	312

Text

「真白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、唇の色は無論赤い。」

Context	Focus	Standard	Context
	温かい	（）	血の色

Rhetoric

	Category
1	隠喩・メタファー (metaphor)
2	含意法 (implication)
3	対照法・対照 (antithesis)

Semantics

	Source	Relation	Target	Pattern
1	温かい	=	赤い	赤い=あたたかい

「温かい血」という表現は文字通り解釈できるが、「温かい色」との関係では修辞性が感じられる。
赤い=温かいという隠喩の解釈と、色>血という換喩の解釈が可能か。ここでは前者の解釈をとる。

Grammar

Construction
Mapping Type

　

Lexical Slots	Conceptual Domain

　

	Preceding	Morpheme	Following	Usage

Pragmatics

Category	Effect
含意法 (implication)	血色を「温かい」によって修飾することで、「もう死にます」と訴える女が生き身の如く体温を維持していることを、その顔色から判断できるものとして効率的に伝えている。
対照法・対照 (antithesis)	温度の低さを示唆する「真白」との間にコントラストを生む。

用例一覧, 夏目漱石, 「夢十夜」, 『夏目漱石』, 隠喩・メタファー (metaphor), 含意法 (implication), 対照法・対照 (antithesis), 赤い=あたたかい, あたたかい（あたたかい）, 赤い（あかい）, K-Kambara, K-Kambara, T-Komatsubara, Y-Hirakawa, H-Goto