目次

「彼には忘れ得ぬ二つの白痴の顔があった」

Page Type Example
Example ID a1708
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 270

Text

彼には忘れ得ぬ二つの白痴のがあった。街角を曲る時だの、会社の階段を登る時だの、電車の人ごみを脱けでる時だの、はからざる随所に二つの顔をふと思いだし、そのたびに彼の一切の思念が凍り、そして一瞬の逆上が絶望的に凍りついているのであった。

Context Focus Standard Context
忘れ得ぬ二つの白痴の (表情)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 > 表情 顔>表情

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 「彼」の心的イメージとして、「白痴」の顔・表情が特徴的に思い出される様子を描く。
含意法 (implication) 「彼」の記憶に残る「白痴」の顔・表情が、二人の間で起こった象徴的な出来事の存在を示唆する。