目次

「堕落者はただ一人曠野(こうや)を歩いて行く」

Page Type Example
Example ID a1608
Author 坂口安吾
Piece 「続堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 239

Text

善人は気楽なもので、父母兄弟、人間共の虚しい義理や約束の上に安眠し、社会制度というものに全身を投げかけて平然として死んで行く。だが堕落者は常にそこからハミだして、ただ一人曠野(こうや)を歩いて行くのである。

Context Focus Standard Context
堕落者は曠野(こうや)を 歩いて行く ()

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 歩く = 過ごす 過ごす=歩く

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
寓意・アレゴリー (allegory) 「荒野」のイメージとの組み合わせに立脚した表現。
アナロジー・類推 (analogy) 既存の社会制度に頼り切って楽な人生を生きるのではなく、苦労しながらも荒れた野山を自らの力によって進んでいくように、社会の中で力強く生きていくという印象を与える。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 既存の社会制度やそこから外れた状態が、人の歩くことができるほどの広がりをもってた場所として表現されている。