目次

「私は焼野原に娘達の笑顔を探すのがたのしみであった」

Page Type Example
Example ID a1565
Author 坂口安吾
Piece 「堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 224

Text

笑っているのは常に十五六、十六七の娘達であった。彼女達の笑顔は爽やかだった。焼跡をほじくりかえして焼けたバケツへ掘りだした瀬戸物を入れていたり、わずかばかりの荷物の張番をして路上に日向ぼっこをしていたり、この年頃の娘達は未来の夢でいっぱいで現実などは苦にならないのであろうか、それとも高い虚栄心のためであろうか。私は焼野原に娘達の笑顔を探すのがたのしみであった。

Context Focus Standard Context
娘達の笑顔 (笑顔の娘達) を探す

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 笑顔 > 笑顔>青年

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
代換法・代換 (hypallage) 「笑顔の娘達」を反転しているように感じられる。
図地構成 (figure-ground organization) 「笑顔」を主要部とすることで、娘達が「笑顔」であることが前景化され、視界のなかで特に目立つ存在であることを強調する。