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「罹災者達の行進は充満と重量をもつ無心であり」

Page Type Example
Example ID a1562
Author 坂口安吾
Piece 「堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 223-224

Text

米人達は終戦直後の日本人は虚脱し放心していると言ったが、爆撃直後の罹災者達の行進は虚脱や放心と種類の違った驚くべき充満と重量をもつ無心であり、素直な運命の子供であった。

Context Focus Standard Context
重量 () をもつ無心

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 重量 = 迫力 強=軽重

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
撞着語法・対義結合・オクシモロン (oxymoron) 「無心」の無は存在せず、重量感がないようなイメージをもたらすが、これと矛盾する「重量をもつ」という形容が結合されている。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 罹災者たちの行進が帯びていた雰囲気が、あたかも具体的な物体であるかのように、身体へと伝わる強い迫力をもつものであったことが表現されている。
対照法・対照 (antithesis) 罹災者達の無心が、虚脱や放心とは異なったものであることを強調する。