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「悪魔が幼児のごとくに神を拝む」

Page Type Example
Example ID a1547
Author 坂口安吾
Piece 「堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 219

Text

秀吉は聚楽に行幸を仰いで自ら盛儀に泣いていたが、自分の威厳をそれによって感じると同時に、宇宙の神をそこに見ていた。これは秀吉の場合であって、他の政治家の場合ではないが、権謀術数がたとえば悪魔の手段にしても、悪魔が幼児のごとくに神を拝むことも必ずしも不思議ではない。

Context Focus Standard Context
幼児 悪魔

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 幼児 = 悪魔 魔=乳幼児

Grammar

Construction AがBのごとくにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C が-主語
2 B の[ごとくに] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ごとく[に] C ごとし-類似-連用形
4 B [のごとく]に C に-比較の基準

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 権謀術数が、歴史の大きな流れのなかでは無意識的な行為であることを、幼児のイメージを用いて表現している。
逆説・パラドクス (paradox) 悪魔が神を拝むことには矛盾が感じられるが、悪事を意識的に企てる悪魔の行いが、より大きな流れのなかでは神を拝むことであったことが、後になって分かる可能性があることを指摘している。
対照法・対照 (antithesis) 涙を流すという幼児的な振舞いをしながら神を拝むという姿と、それとは対極にある権謀術数を巡らせるという悪魔的な振舞いの対比を、悪魔と幼児の対照性によって際だたせる。