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「亡者にちかい姿になった」

Page Type Example
Example ID a1503
Author 坂口安吾
Piece 「勉強記」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 161

Text

こうして不退転の決意をもって巴里密航の旅費を累積しはじめたのだが、同時に、忽ち、栄養不良の極に達して、亡者にちかい姿になった。

Context Focus Standard Context
亡者 (龍海さん)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 亡者 = 人間 人間=死人

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A に[ちかい姿になった] に-抽象的な場所
2 A [に]ちかい[姿になった] 似寄り(により)
3 A [にちかい]姿[になった] 見目(みめ)
4 A [にちかい姿]に[なった] に-成り行く状態・結果
5 A [にちかい姿に]なっ[た] 変質する(へんしつする)
6 A [にちかい姿になっ]た た-過去-終止形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 栄養不良となりやせ衰えた姿を、亡者の貧相な肉体、精気を失った姿のイメージを用いて表現する。
評価 (evaluation) 強い決意とは裏腹に衰えた肉体を、生きる力を失ったものとして否定的に評価していることを暗示する。