目次

「一見寺のような建物で」

Page Type Example
Example ID a1338
Author 坂口安吾
Piece 「石の思い」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 88-89

Text

私の生れて育った家は新潟市の仮の住宅であったから田舎の旧家ほどだだっ広い陰鬱さはなかったけれども、それでも昔は坊主の学校であったという建築で、一見のような建物で、二抱えほどの松の密林の中にかこまれ、庭は常に陽の目を見ず、松籟のしじまに沈み、鴉と梟の巣の中であった。

Context Focus Standard Context
(家)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 家=寺院

Grammar

Construction 一見AのようなB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 一見 A 一見(いっけん)
2 A の[ような] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 A [の]ような B 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
風景描写 (scene-description) 家の様子と坊主が学んでいたという情報から、発話者の知覚上、「寺」として認識されたことを表す。