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「その部屋と崖との間の空間がにわかに一揺れ揺れた」

Page Type Example
Example ID a1309
Author 梶井基次郎
Piece 「ある崖上の感情」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 104

Text

しばらくそこを見ていると、そこが階段の上り口になっているらしい部屋の隅から、日本髪に頭を結った女が飲みもののようなものを盆に載せながらあらわれて来た。するとその部屋と崖との間の空間がにわかに一揺れ揺れた。それは女の姿がその明るい電灯の光を突然遮ったためだった。

Context Focus Standard Context
一揺れ揺れた (一揺れ揺れたかのように見えた)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 揺れ = 明暗 明暗=動揺

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
カテゴリー転換 (-) 明るさの陰影の急激な変化が、空間の揺れとして捉えられている。
冗語法 (pleonasm) 「一揺れ」は、「揺れた」から含意されるという点で剰語的である。