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「自分の心を染めている」

Page Type Example
Example ID a1307
Author 梶井基次郎
Piece 「ある崖上の感情」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 102

Text

彼はかすかな旅情らしいものが、濃くあたりに漂っているあれちのぎくの匂いに混じって、自分の心を染めているのを感じた。

Context Focus Standard Context
心を 染めている ()

Rhetoric

Semantics

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 心を布のような染めることのできる物質として表現する。
心理描写 (psychological-description) 布を染めゆく染料のように、かすかな旅情が「彼」の心に少しずつゆっくりと浸透していき、その全体を満たしていったことを表現する。
共感覚表現・共感覚的比喩 (synesthesia) 心理の状態を布が染められていくイメージにより視覚的に表現する。
異例結合 (-) 「心」に対して「染めている」という主に布などの物質に用いる動詞を述語として用いている。