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「自分の持っている欲望を言わば相手の身体にこすりつけて」

Page Type Example
Example ID a1300
Author 梶井基次郎
Piece 「ある崖上の感情」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 99-100

Text

自分は自分の愛するものは他人も愛するにちがいないという好意に満ちた考えで話をしていたと思っていた。しかしその少し強制がましい調子のなかには、自分の持っている欲望を、言わば相手の身体にこすりつけて、自分と同じような人間を製造しようとしていたようなところが不知不識(しらずしらず)にあったらしい気がする。

Context Focus Standard Context
欲望を 相手の身体にこすりつけて ()

Rhetoric

Semantics

Grammar

Construction Aを、言わばB、C
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C を-目的・目標(他動詞)
2 言わば B 言わば(いわば)

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 欲望という抽象物を物質に擬えることで、自分の欲望を相手に押し付けていることをより具象的な形で表現する。
明晰 (clarity) 「言わば」に導かれて導出された表現であり、欲望を相手に押し付けるという抽象的な事柄を、具体的な身体動作で分かりやすく説明しようとしている。
人物描写 (description of a character) 相手に自分の欲望を押し付けようとする態度を取っていることが表現される。