目次

「南京鼠の匂いでもしそうな汚いエキゾティシズムが感じられた」

Page Type Example
Example ID a1274
Author 梶井基次郎
Piece 「ある崖上の感情」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 88

Text

黙ってウエイトレスは蓄音器をとめた。彼女は断髪をして薄い夏の洋装をしていた。しかしそれには少しもフレッシュなところがなかった。むしろ南京鼠の匂いでもしそうな汚いエキゾティシズムが感じられた。

Context Focus Standard Context
南京鼠の匂い (汚い)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ねずみ > 汚い うさぎ>不潔

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Elaboration
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A でも[しそうな] C でも-はなはだしい場合
2 A [でも]し[そうな] C する(する)
3 A [でもし]そうな C そう-様態-連体形
4 B - C 統語関係

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 髪を短く揃え、洋装をしているウェイトレスについての描写である。
評価 (evaluation) 髪を短く揃え、洋装をしている様子は、本来ならば爽やかなエキゾティシズムを感じるところであるが、当該人物の陰気さによってそのような感覚が喚起されないという評価を提示する。
当てこすり (innuendo) 髪を短く揃え、洋装をしている様子が陰気で爽やかでないことをことさら述べている。
イメジャリー・イメージ (imagery) 当該人物の陰気さが爽やかさを喚起させないことを、爽やかさの対極にある南京ネズミという汚らしい存在を引き合いに出すことで表現する。