目次

「鈴の音は彼の身体の内部へ流れ入る澄み透った溪流のように思えた」

Page Type Example
Example ID a1204
Author 梶井基次郎
Piece 「ある心の風景」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 294-295

Text

そんな時朝鮮の鈴は、喬(たかし)の心を顫わせて鳴った。ある時は、喬の現身は道の上に失われ鈴の音だけが町を過るかと思われた。またある時それは腰のあたりに湧き出して、彼の身体の内部へ流れ入る澄み透った溪流のように思えた。それは身体を流れめぐって、病気に汚れた彼の血を、洗い清めてくれるのだ。

Context Focus Standard Context
彼の体の内部へ 流れ入る ()

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 流れ込む = 聞こえる きく=立ち入る

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
アナロジー・類推 (analogy) 直前の「湧き出して」に連なる隠喩。鈴の音を身体に流れ込む液体として捉えることで、血液に直接はたらきかけ、病を洗い去ってくれるものとして見なす。