目次

「私自身の体臭を嫌うごとくに咢堂を嫌う」

Page Type Example
Example ID a1127
Author 坂口安吾
Piece 「石の思い」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 78

Text

だから私は、私自身の体臭を嫌うごとくに咢堂を嫌う気持をもっている。

Context Focus Standard Context
体臭を嫌う (咢堂を嫌う)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 体臭 = 尾崎咢堂 伊藤博文=体臭

Grammar

Construction AごとくにBをC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A ごとく[に] C ごとし-類似-連用形
2 A [ごとく]に C だ-断定・指定-連用形
3 B C を-目的・目標(他動詞)

Pragmatics

Category Effect
アナロジー・類推 (analogy) 体臭に尾崎咢堂を比することで、体臭が自身から引き離せないのと同様に咢堂への嫌悪感が拭い難いものであることを説得的に示す。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 「私」にとって、体臭という生理現象と同様に咢堂への嫌悪が心理的なもの以上に体感的なものであることを表現する。
心理描写 (psychological-description) 「私」にとっての咢堂への嫌悪感の切実さを表現する。