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「途方もない混沌をグイとばかりに呑みほす」

Page Type Example
Example ID a1099
Author 坂口安吾
Piece 「FARCEに就て」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 57

Text

諦めを肯定し、溜息を肯定し、何言ってやんでいを肯定し、と言ったようなもんだよを肯定し——つまり全的に人間存在を肯定しようとすることは、結局、途方もない混沌を、途方もない矛盾の玉を、グイとばかりに呑みほすことになるのだが、しかし決して矛盾を解決することにはならない、人間ありのままの混沌を、永遠に肯定しつづけて止まない所の根気のほどを、呆れ果てたる根気の程を、白熱し、一人熱狂して持ちつづけるだけのことである。

Context Focus Standard Context
混沌を グイとばかりに呑みほす (肯定する)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 飲み干す = 肯定する 是認する=飲む

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 「グイとばかりに呑みほす」ことができるものとして混沌や矛盾を表す。
イメジャリー・イメージ (imagery) 「全的に人間存在を肯定」することを、玉を呑み込むイメージで具体的に理解させる。