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「ミステリーの靄の裡(うち)に私を投げ込んでしまっている」

Page Type Example
Example ID a1052
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 46

Text

海の上で知り合いになった夢のような女、大雨の晩の幌の中、夜の都会の秘密、盲目、沈黙———すべての物が一つになって、渾然たるミステリーの靄(もや)の裡(うち)に私を投げ込んでしまっている。

Context Focus Standard Context
ミステリー

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 もや = ミステリー 不思議=もや

Grammar

Construction AのBのC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B の-同格(同じ内容)
2 B C の-場所・位置

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 靄に自身が包まれているイメージを提示する。それにより、靄の実体を欠いたつかみどころのなさから、自身の周辺で起きている不思議な出来事の意味をつかみかねていることを表現する。