目次

「女の容貌の魅力にたちまち光を消されて」

Page Type Example
Example ID a1044
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 40-41

Text

愚かにも、私は自分の人気を奪い去ったその女の美貌に対して、嫉妬と憤怒を感じ始めた。かつては自分が弄(もてあそ)んでほしいままに棄(す)ててしまった女の容貌の魅力に、たちまち光を消されて蹈(ふ)み附けられて行く口惜しさ。

Context Focus Standard Context
容貌の魅力に 光を消されて (人気を奪われて)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 人気 評判=光

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) かつては自らに向けられていた照明が今では消されて真っ暗になってしまったというイメージによって、かつて異性から向けられていた好意の眼差しがもう今ではもうなくなってしまったという変化が、視覚的に表現されている。
対照法・対照 (antithesis) 照明による明暗が、精神的な明るさ・暗さの対比を示唆する。